-20℃を下回る厳寒期の十勝で焚き火をしながら鉄のフライパンでじっくり焼く鹿肉
サーロインブロックの脂身を下にしてフライパンにのせるとジュワッと脂が溶け出し、一気に美味しい匂いが立ち昇る
この時期の脂身には木ノ実や穀類、木の皮のような香りが混じり合い、一言でいうと森の香りを連想させる。夏の鹿のフレッシュな脂身には無い奥深さだ
勿論、そのままシンプルに塩だけ付けて食べても美味しいが、この時期ならニンニクやハーブを足しても負けない味わいがある
むしろ、鹿肉本来の赤身の肉肉しさがそれらと相まって恍惚感が増すというものだ
寒さが骨まで沁みる雪景色と星空の下でこんな宴を催したら幸せが体中の穴から溢れ出すと思う